最近、英語多読にライトノベルを活用しています。日本語版も読んでいますし、英語翻訳されたものも読んでいます。今回は、日本語版の紹介も兼ねつつ、英語多読で活用できる情報もお伝えします。
日本版のタイトルは
「出遅れテイマーのその日暮らし」
作者は棚架 ユウさん。イラストはNardackさん。
出版社:KADOKAWA
この本の英語版のタイトルは「A Late-Start Tamer’s Laid-Back Life: Volume 1」。
翻訳者はYuko C. Shimomoto さんです。
出版社:J-Novel Club
今回は1巻、Volume1の部分に焦点を当ててご紹介します。
私の世代的に初代ポケモンやデジモンが大流行していました。それ以降、仲間モンスターと戦うというものがずっと好きなんです。ポケモンやデジモンのゲームは今でもたまに遊んだりしています。その影響はほかのゲームを遊ぶときにもかなり色濃く出ています。例えばネトゲをやるときは、テイマーや何かが召喚ができるような職業を選びます。Diabloシリーズもよく遊ぶのですが、ネクロやドルイドといったいわゆるミニオンを引き連れて戦うスタイルを選んでいます。
そんな私にとって、テイマーが主役の小説はモロに好みのテーマでした。実際読んでみても、登場するペットたちが可愛くて、いい感じです。
私の多読歴と実力
読破した語数は120万語くらいです。始めてから1年2か月ほど。
ダレンシャンを読んでいると、語彙数的に結構辛い、くらいのレベル感です。
あらすじ
「出遅れテイマーのその日暮らし」ですが、もともとは「小説家になろう」で連載されている小説の書籍化になります。漫画版も出ています。
ざっくりとあらすじをご紹介します。
フルダイブVRゲームがある未来の世界のLJOというオンラインゲームが舞台。LJOリリース時にソフト運良く当選した主人公。スタートダッシュを切り、廃人プレイをすべく、現実世界でもあれこれ準備を進め、いざゲームに臨みます。しかし、紆余曲折ありスタートダッシュに失敗。タイトル通り出遅れてしまったテイマーとして活動をしていくことになります。少しずつ仲間のモンスターを増やしていったり、ちょっとずつスキルを上げていったりとしていきます。
この作品は、主人公がチート的な強さで他を圧倒していくタイプではなく、ちょっとずつ自分の環境を整えて、少しずつ強くなっていきます。苦戦しながらも他の人とは違うプレイスタイルで、別の形で目立っていきます。主人公はテイマーなので、少しずつ仲間のモンスターを増やしていったりします。どちらかというとVRMMOでスローライフをしながら、独自路線を歩んでいって、周りから一目置かれるような存在になっていくお話です。
ちなみに1巻冒頭に出てくる主人公の仲間モンスターは、1巻では全て仲間になりません。なので、そのあたりも含め、お話の展開はちょっとゆっくりまったりです。
英語版の書籍情報
英語版のタイトルは
「A Late-Start Tamer’s Laid-Back Life」
総語数などの情報は、楽天KOBOのサイトより引用します。
About this book
Rakuten kobo
・303pages
・6-7 Hours to read
・82K Total word
アマゾンのサイトだと、本の長さが357ページとなっているので、読む媒体で、文字幅だったり、色々と違いそうですね。
82K Total wordということは総語数はおおよそ82,000文字ということ。読むのにかかる6-7時間はおそらくネイティブスピーカーの方向けの時間ですね。
私のレベルだともっと時間がかかりました。断片的に読んでいたので正確に図ったわけではありませんが、おそらく10時間~12時間ちょっととかでしょうか。キンドルで読んでいたので、ところどころ読む時間の目安みたいなのが、下の方に表示されていたのを参考に読書時間は算出しています。
単語的なものは、ちょくちょく知らない単語は出てきますが、まだ読めているという感覚があります。原作読んだことあるから、その記憶にものすごく助けられました。知っている話の英語多読は読みやすくなるので、ありですね!
オススメポイント
この作品のいいところは、ゆっくりとスローライフをしながら成長していくところです。最初に出遅れてしまうため、いきなりすごく強いといったこともなく、戦闘力的には弱い感じからスタートします。
俺TUEEというより、知らず知らずにすごいことをやっていく。そういった話の展開です。なろう系作品の特徴はありつつも、少しずつ戦力を増やしていく感じなので、そういったお話が好きな人にオススメです。
ペットの種類も最初は一人?一匹ですが、少しずつ増えていきます。ちょっとずつ戦力が整っていく感じもいいですよ!
英語版の難易度など
元の話を知っているからか、比較的読みやすい印象でした。知らない単語はある程度出てきますが、理解度がすごく落ちたと感じずに読み進められる感覚でしょうか。
というのも仲間モンスターとちょくちょく会話をするんですが、仲間モンスターは言葉をしゃべれないんですよね。最初に仲間になるオルトというモンスターは、「Muu」とか「Mu?」とかしかしゃべれないです。でも頑張って意志を伝えようとしていく姿がかわいい……。
ちなみに他のモンスターもしゃべれません。でもそれぞれのキャラの伝え方を上手く括弧で表現しています。英語版を読んでいて思ったのは、今誰がしゃべっているのかが、本当にすぐに理解でき、他の小説よりも会話が理解しやすいことですね。今オルトとやり取りしてるんだな。とかも一目瞭然。こういった部分も比較的読みやすいと感じたところです。
もちろん動きを補足する地の文だったりはあるので、そこから今何をテーマに話しているのかわかるようになっています。
おわりに
ゲームのテイマー系が好きな人にオススメの作品です。
ペットがかわいいんですよ。人型もいるのですが、それ以外も登場します。そういったペットたちとの掛け合いもいい感じでした。ちなみにどのペットも日本語(英語)は喋れません。Muとかで表現していっています。
またコツコツ強くなりながらも、主人公って実はすごい!みたいな感覚も味わえますので、そういう話が好きな人にもオススメです。
英語版を読んで思ったことは、「こうやって翻訳していくのか」と、翻訳のことを肌で感じられたことです。例えば白銀(しろがね)という言葉のつく称号が日本語版だと出てくるのですが、英語版では「Silver-Haired」という風に訳されているんですよ。普通に訳すとSilverになっちゃうからなんですかね。そこら辺も海外の方向けにしっかりローカライズされているんだなーと違いがわかり、ちょっと感動しました。
そして、英語でラノベを読んでみて、日本語版とのギャップを感じた部分もあります。ひとつひとつの文章は、日本語と同様に短いんですが、行間と1ページあたりの文字数が日本語版より詰まっている感じがすごくあります。英語版は行間が狭く、普通の小説くらいの感覚です。日本のラノベって読みやすくするために改行を多くしたりしてると思うのですが、英語版はそんなことありませんでした。普通に文字文字しています。
とはいえ、会話文は多いは多いので、文字がびっしりというページだけではありません。ただ日本語版と比べてみると、1ページあたりの文字の多さがすごく増えているような印象を受けます。
日本のラノベをそのままイメージしていると、そこらへんのギャップの違いはあるかもしれません。
でも原作読んだことあるのって、やっぱりいいですね。ちょっと話の流れがあれ?となっても、読み続けると「ああ、ここの話をしているのか」ってなるので、安心感があります。
みなさんも英語多読のおともに、翻訳されたライトノベルはいかがでしょうか?