今回紹介する漫画は、
「スーパーの裏でヤニ吸うふたり」地主さん著です。
ビッグガンガンコミックス。出版社はスクウェア・エニックス。
今の世の中で、タバコをテーマに扱っているのが、ちょっと珍しいなと思い手に取りました。喫煙者は吸える場所が少なくなって、肩身が狭いなと感じることも多いこの頃。数も少なくなってきている喫煙所が舞台の珍しい漫画です。
1話目に関して若干のネタばれを含みますので、その点はご注意ください。
あらすじ
ブラック気味の会社に勤めるサラリーマンの主人公佐々木さん。佐々木さんのひそかな楽しみは、行きつけのスーパーで働いている女性店員の山田さんの笑顔の接客。仕事で疲れた日の終わりに、スーパーで買い物して癒されている中年サラリーマンです。
買い物が終わってスーパーを出たところで、一服しようとすると、世間からの厳しい視線を感じ、急いで喫煙所を探すことに。しかし、見つからずがっかりして帰路に着こうとした時、ちょっと奇抜な服装をした女性に「ここなら吸えるよ」と声をかけられます。
スーパーの従業員用喫煙所で一服することに。ちょっと不思議な喫煙所が舞台の物語が始まります。
にぶい佐々木さん
主人公の佐々木さん、とにかく鈍いんです。お人よしでいい人なんですけど、鈍いんです。主人公が一緒にタバコを吸うことになった女性が山田さんの素の姿ということに気が付かない。髪型と服装の違いから、同一人物と認識しません。
山田さんはいたずらのつもりでからかっていたのですが、まさかの佐々木さんが気が付かなかったので、すれ違っている状態で会話が進んでいきます。そのまま田山という偽名で会話を楽しんでいくことになります。
そんな微妙にすれ違っている二人がたびたび喫煙所で会話をしていく内に、少しずつ仲良くなっていく。ゆったりと進む日常のワンシーンの漫画です。この佐々木さん気が付いていないということが良いエッセンスになっています。
読んでいくと、読者の私も田山さんをよく見ることになるため、もはやあの人は山田さんではなく田山さんなんだと思うようになってきます。
おわりに
喫煙所でのみという絶妙な距離感が良い感じです。いつも会うわけではないけれど、たまに一緒にタバコを楽しむ二人。相手のことの意識するような描写もあったりで、この二人の関係がどうなるんだろう!そんなことを考えると、ニマニマしてしまうんです。
2024年6月時点で4巻まで発売されています。私は1巻がすごく気に入ったので、一気に4巻買って読んでしまいました。2巻以降の感想はまた別のタイミングに!