今回ご紹介する本は
「ゼロから12ヵ国語マスターした私の最強の外国語学習法」Kazu Languagesさん著。出版社:SBクリエイティブ(SB新書 653)
言語学習を続けていると、本当に身に付くのか心配になったり不安になったりする時もありますよね。私もそんな気持ちになることがあるのですが、そういう時は成功者の体験談を読むのがオススメです。程よい刺激を受けて、言語学習のモチベーションが途切れることがなくなります。
今回紹介する本の著者、Kazu Languagesさんは12ヵ国語を習得しており、学び方などを教えてくれる本になります。多くの言語を習得している多言語話者(ポリグロット)なので、学習方法などに説得力があります。
著者Kazuさんの外国語習得歴
Kazuさんが言語学習に目指すきっかけとなったのは、幼稚園の時、万博で諸外国のことを知ることがあったから。色々な国の人と友達になりたい。と幼心に思ったそうです。そんなkazuさんですが、学校で習っていた英語は楽しくなくて、その時点では英語を使えるようにはなっていませんでした。Kazuさんが最初に使えるようになった外国語はスペイン語。スペインへの留学を期に、習得します。
そして驚きはここからなんですが、どんどん色々な言語を習得していきます。
スペイン語、英語、フランス語、アラビア語、インドネシア語、ロシア語、ポルトガル語、ドイツ語、トルコ語、中国語、タイ語、韓国語と12ヵ国語マスターしていきます。
英語ひとつで苦戦している私にとって、こんなにたくさんの言語をマスター…という驚きがありました。
Kazuさんが実際に勉強していった言語たちの特徴紹介も、とても面白く読めます。アラビア語の文字のこと、ロシア語の文法の難しさなど、それぞれの言語の特徴も紹介されています。ただ難しいという話だけでなく、言語の響きの魅力だったりと、実際に学習された方ならではの感想もあります。日本語・英語以外の言語を知るきっかけになります。ちなみにトルコ語は日本語と似ている言語みたいですね。
あまり意識したことがなかったのですが、こういった色々な言語の特徴を知れると、様々な言語を勉強してみたくなります。
実際の学習法
Kazuさんがマスターしたというレベルは、各外国語でネイティブの人たちと、日常的会話をこなせること。また映画などを字幕なしで楽しめるレベルを指しています。期間としては半年~1年程度でこのレベルに達するとのこと。私は最近、英語学習をはじめて1年以上経ちますが、まだまだこのレベルには到達していません。すごすぎますね。
Kazuさんの言語習得の流れも紹介されています。
「先にフレーズを蓄積して会話力の素地を作ってから、自然に文法を学んでいく」という感覚的な学び方を紹介していきます。
「ゼロから12ヵ国語マスターした私の最強の外国語学習法」Kazu Languages著
日本の学校で行うような文法や精読といった学習とは違ったやり方です。この方式でKazuさんは多言語を習得されています。
この言語習得の流れに乗るための学習用ツールも様々紹介されています。ちょっと注意が必要なのは、英語を習得しようと思った場合、紹介されているツールの一部が使えないということでしょうか。紹介されているpimsleurやAssimilでは日本語→英語の学習のパターンがないところです。なので英語を習得したい場合は、紹介されている一部ツールを、他のツールに置き換えて学ぶ必要があります。
基本的には「話す・聞く」から言語学習を始めていき、その後文法を学ぶやり方です。これらで基礎固めを行ったら、4技能「聞く、話す、読む、書く」をバランスよく培っていくというやり方が紹介されています。
おわりに
言語学習はやはり地道な積み重ねが大切ということも強調されています。言語を学習する上で必須の習慣化することの大切ということがよくわかる本でした。劇的に伸ばすより、着実に進んでいく。このことを多言語話者の人から聞くと、勇気をもらえます。習慣するための方法なども紹介されており、継続するための工夫の仕方も参考になりました。
多言語話者Kazuさんの学習法などを知れる良い本でした。学習法の部分など、実際に複数言語をマスターしている方なので、説得力があります。学習方法が自分に合っていそうなら、試してみるのも良さそうです。
ただ途中でも記載しましたが、英語の学習をメインの人でしたい人は、紹介されている教材をちょっと調整する必要があるので、そこだけは注意です。ただそれでも勉強方法の方針を知れるので、十分活用できると思います。
英語学習をしている人はもちろん、それ以外の言語に興味のある方も、多言語話せるようになりたい方にもオススメできる欲張りな一冊でした。