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【書評】「英語は10000時間でモノになる ~ハードワークで挫折しない「日本語断ち」の実践法~」橋本 大也 著

2024年4月13日

英語は10000時間でモノになる。アイキャッチ

今回ご紹介する本は
「英語は10000時間でモノになる ~ハードワークで挫折しない「日本語断ち」の実践法~」橋本 大也さん著。出版社:技術評論社

英語習得に関する本は様々出ていますよね。短い時間で英語習得ができることを強調しているタイプの本もあったり本当に様々です。本書は短い時間で習得タイプの本と真逆の考え方をしています。タイトル通り、10000時間という長い時間をかけて英語を習得するというモノなんです。

語学ってそんなに簡単に身につかないよねと思っている人にとって、特にオススメの本書。紹介されている英語に10000時間触れる方法は参考になります。

それではさっそく見ていきましょう。

英語を習得するための時間について

英語語学を習得するためには、2000時間や3000時間必要など、ネット上でも様々な意見が飛び交っています。

日本語話者が英語を学ぶ時のかかる時間の根拠としては、少々違うパターンになりますが、英語話者が日本語を学ぶ時の時間は、米国国務省の調査が公表されています。

Category IV Languages: 88 weeks (2200 class hours)

“Super-hard languages”
Languages which are exceptionally difficult for native English speakers.

・Japanese

https://www.state.gov/foreign-language-training/

これによると、英語が母語の人の日本語習得にかかる時間は、2200時間とされています。

日本語と英語は言語のルールも全然違いますし、簡単ではないことが想像できます。実際、私も過去受けた学校の授業では全然英語が身に付いたという感じは全くしていません。なんにせよ、言語体系が違うものを習得するには時間がかかるという認識で間違いないでしょう。

なんで1万時間?

なぜ本のタイトルにもなっている10000時間という長い時間を習得までの設定にしたのでしょうか。

これは10000時間使うことで、ネイティブの大学生くらいの英語力を獲得するということを目標に掲げているからです。大学生レベルとなれば、コミュニケーションとして英語を利用するのはもちろんのこと、本を読んだり、様々な活動を英語で行えるレベルですよね。

英語ネイティブの18歳は、生まれてから10万時間以上、英語を使っている計算になります。私たち日本人の大人は語学以外の知識と経験の積み上げがあるので、10000時間使えば、合わせ技で納得の英語力が手に入ります。

「英語は10000時間でモノになる ~ハードワークで挫折しない「日本語断ち」の実践法~」

実際、日本語を母語にしている人にとってネイティブ大学生と同じ時間、英語に触れることは難しいですよね。ネイティブよりは英語に触れる時間は少ないけれど、それ以外の知識や経験を活かして、英語を使えるという状態に持っていくのが本書の狙いです。

どうやって1万時間を確保するのか

とはいえ10000時間を確保するのは、中々大変です。

英語学習10000時間達成するために毎日どれくらいの時間と年月が必要かは、大まかですが以下の通りです。
・1日9時間で3年とちょっと。
・1日6時間で4年半。
・1日3時間で9年とちょっと。

1日何時間も。しかもそれを何年も続けて、ようやく達成する目標です。正直、普通に机に向かっての英語学習では、そんなに時間が捻出できない!と思いますよね。

本書では、日常生活の中でいかに英語に触れる時間を伸ばしていくのかが、ポイントになっています。机に向かって参考書を広げてという時間を増やすのではなく、生活の中で英語に触れる時間を増やす。

机に向かっての学習を一日9時間、それを毎日やっても、3年以上かかります。これはさすがに非現実的すぎます。なので、いかに上手に日々の生活に英語を組み込んでいくかが、1万時間を目指す上で大切なことになります。

そのためのポイントは日本語を使う時間を減らすこと。たとえばスマホを英語表示に変えたり、ニュースを英語にしてみたりなどです。情報を仕入れる先を英語にしてみたりなど、普段私たちが日本語で行っているものを英語に変えることで、1万時間を目指していきます。

ただ、日本語を英語に置き換えていくのは、最初はなかなかハードルが高い部分ではあります。本書では橋本さんが実践してきた英語に触れるための数々の方法や、学習法などを色々と紹介してくれます。

実際に橋本さんが行っている方法を少しご紹介

ここからは本書で実際に紹介されている方法の一部をご紹介します。

①英語での読書

本書では、英語での読書もオススメに上がっています。いわゆる英語多読です。読書を通じて英語のインプットを増やしていく方法ですね。

英語で小説を読むときのポイントなどもあり、英語での読書に挑戦したい人も参考にできます。

慣れない英語で小説を読み進めるためのコツとして、人物や関係図を準備してみたり、読書でかかる負荷の軽減方法なども紹介されています。また小説でよく使われる感情表現なども簡単にまとめてあり、読書する際の参考になります。

②語彙力を鍛える

読書などを進めるにあたり、実際にどれくらい単語を知っているかで、読める本の範囲が変わってきます。

子ども向けの本などを読むために必要な語彙力や、一般の本での語彙力、さらに新聞などに必要な語彙力の目安も紹介されています。私も英語で読書していると語彙力不足を感じることが多く、参考になりました。1万5千語近く単語を知っていると、一般的な本や新聞を読む時に、辞書がなくてもわかる範囲が広がるとのこと。英検でいうところの1級レベルの語彙力になりますね。

読書を続けていく内に、単語力は少しずつ上がっていきます。ただそれには時間はかかるため、本書では時間短縮の方法としてボキャブラリ・ビルディング(ボキャビル)にも触れています。

ボキャビルなしでそのレベルを達成するには5年や10年くらいの時間が必要になると思います。それを劇的に短縮する方法がボキャビルなのです。

「英語は10000時間でモノになる ~ハードワークで挫折しない「日本語断ち」の実践法~」

ただ、このボキャビルは十分なモチベーションがないと続けられないとも書かれており、筆者は劇薬と表現しています。ボキャビルを使用していくか、この判断は長期間単語学習を続けられるか否で、分かれそうです。私は早く読める範囲を広げたくて、ボキャビル挑戦中です。ようやく9千語ほど覚えました。少しずつ辞書がなくても読める範囲が広がってきている感覚が味わえています。

ボキャビルのオススメの方法として、アプリを使った方法が書かれています。私も本書で紹介されていたiKnowを使って学習しています。忘却曲線に従って、単語が出題されるアプリで、記憶の定着を助けてくれる効果があります。ボキャビルをやりたい方は、アプリの活用も視野に入れて、考えてみるのも良さそうです。

③テクノロジーを駆使して、英語を書く、聞く、しゃべるも鍛える

本書が触れているのは「英語を読む」ということだけはありません。英語で書いてみること、聞いてみること、しゃべることなどにも触れていきます。英語4技能しっかりとカバーする内容になっています。

オーディブルを使ったリスニングの強化方法や、読書と絡めて英語を書くスキルを高める方法、発音に関してなどなど、一通りの取り組み方が詳しく書かれています。先ほどボキャビルで紹介したアプリもそうですが、色々な技術を学習に組み込んで英語力を鍛える方法も紹介されています。

他にも、grammarlyというAIによる英文チェックのサービスを使い、書くということを鍛える方法も記載されています。Quilbotといった文章の言い換えサービスなど、色々な技術を使って、英語を学ぶ方法を紹介してくれます。

好みに合わせて、色々テクノロジーやサービスの利用も模索していけます。


おわりに

第二言語を高いレベルで習得しようとすると、やはり相応の時間がかかるということを認識できる本でした。その上で、いかに英語に触れる時間を増やしていくのか、そういったことが細かく書いてあります。

私もスマホを英語表記にしてみたり、ゲームで遊ぶときも英語に切り替えられるものは英語で遊び始めました。そういった日常生活から英語を取り組む意識を参考に、最近は過ごしています。意外とある程度の動作までは、雰囲気で操作できたりするので、身の回りのものを英語に置き換える方法はいいかもしれません。

すぐに英語ができるようになる的なことは書いてありません。言語習得に近道はなく、地道な積み重ねの大切さが伝わる本です。でもだからこそ、納得ができる内容です。

しっかりと時間をかけて、第二言語を習得する。そのための知恵が色々と載っているオススメの本です。

参考にできる学習方法が本書に記載されているかもしれませんよ!

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ユキト

本が好きな一般人です。様々なジャンルの本を毎年100冊以上読んでいます。2024年4月から個人ブログ「ざぶざぶっく」を運営中。 ユキトのプロフィールはこちら! 洋書が読めるようになりたくて英語多読も実践継続中!100万語突破しました!

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