今回紹介する本は、
「わたしのうちには何もない 「物を捨てたい病」を発症し、今現在に至ります」ゆるりまいさん著。出版社:エンターブレイン
片付けや物を捨てるということに対して描かれたコミックエッセイです。
部屋を片付けなきゃと思っても、なかなか体が動かないことありませんか?
私もかつては部屋のモノが多く、掃除をするのに気力を奮い立たせてから頑張っていました。モノが多い部屋にうんざりした生活を送っていたんです。掃除に関する本を読み始めては、その本が増えていくというサイクルができ、一体どうすればいいんだと思っていた時に、ゆるりまいさんの本に出会いました。
読み終わると、物をどんどん捨てたくなってくる気持ちが湧きおこり、断捨離や片付けの意欲がものすごく上がったので、今回ご紹介していきます。
本の概要
この本は著者のゆるりまいさんが、物を捨てシンプルなお部屋に住むことになる過程が書かれたエッセイマンガです。
現在は物が少ないお部屋に住んでいるゆるりまいさんですが、最初は汚部屋で生活をしていました。冒頭で汚部屋時代の写真が一枚掲載されています。その写真は、物が山積みになっているお部屋なんですよ。若干雪崩も起こしています。
そして、モノを捨てることに目覚めてから変わったお部屋の写真も載っているんです。この断捨離が進んだ後のお家の写真がとにかくさっぱりしていて綺麗。この差がすごくて、何がきっかけでここまでの部屋に至ったのかが気になり、先を読みたくなる作りになっています。
最初は、ゆるりさんも片付けをしたくても上手くできない。そんな日々を送っているんです。片付けというより物を動かしただけという状態だったんです。私も物が多かった時はその物の移動に気力をだいぶ奪われていました。
そんな状態のゆるりさんが、ふとしたことをきっかけに物を捨てることに目覚めていきます。学生時代から始まり、社会人になってからのこと、その先のことなども順を追って漫画になっています。
人生の節目節目で色々なことが起こり、物を捨てるということに憑りつかれていくゆるりさん。ゆるりさんがどうやって汚部屋から抜け出したのか、そんな過程が丁寧に描かれています。そんな著者の様子がちょっとゆるい感じのテイストで描かれています。
震災と物
東日本大震災で被災をされ、元々住んでいた家に住めなくなってしまったゆるりさん。地震の際、家の中にあった物が凶器と化す経験もされています。
そして避難をする時に、本当に必要な物って一体何なのか、を考えることに。
震災に関する描写があるので、苦手な方にはこの部分は少々きついかもしれません。
ただ、私の場合は自身の部屋を見渡して、大きな地震が来た時、この部屋で大丈夫だろうか……。と考えるきっかけをもらえました。
物が多すぎると危険になることもある。自分にとって本当に必要な物ってどれくらいなんだろうか。今までそういった視点で部屋の中の物を見て、しっかりと考える機会もなかったので、影響を受けました。
全体的にゆるいテイストで進むものの、物と防災のことなども考えさせられる内容になっています。
ゆるりさんが暮らしているお家の写真
コミックエッセイではあるんですが、巻末ページにゆるりさんが暮らしているお家の写真がいくつか載っています。それがどれもすっきりして本当に綺麗なんです。
本編の中で掃除が楽になるということも書いてあったのですが、この写真を見て、ものすごく腑に落ちました。ここまで物が少ないと、確かに掃除も楽そうだと……。
ゆるりさんが変わっていく過程を漫画で読み、締めに実際のお家の写真で説得力を持たせる。この漫画はこういった構成になっています。
実際、私はものすごく感化されました。掃除が楽って素晴らしいなと思い、そこから断捨離生活がスタートしました。物を捨てるに当たって色々と心理的なハードルもあったので、その点は別のミニマリストの方たちの本なども参考にさせてもらいながら、かなりシンプルな生活にすることができました。参考にした本についてはまた別の機会に紹介記事を作りたいと思います。
おわりに
最初から綺麗な部屋に済んでいたわけではなく、人生で起こった色々なことをきっかけに捨てることに目覚めていくゆるりさん。それを知れると、私も断捨離をやってみようかなという気持ちになっていくんです。
物を減らしてみたい。断捨離をしてみたいと思っている人にとって、気持ちを高めてくれる起爆剤のような効果がある本です。
漫画の形式なので、気軽に読めるのも本書の良いところ。
またドラマ化されたり、続編で5巻まで刊行されたりしているので、気持ちが載ってきたら続きを見たり、ドラマから入ってみたりするのもいいかもしれません。
みなさんもゆるりさんの物を捨てたい病が感染するかも…!?