ビジネス 書評

【書評】仕事のモヤモヤに効くキャリアブレイクという選択肢 次決めずに辞めてもうまくいく人生戦略(北野 貴大 著)

2024年4月7日

仕事のモヤモヤに効くキャリアブレイクという選択肢

今回紹介する本は、
「仕事のモヤモヤに効くキャリアブレイクという選択肢 次決めずに辞めてもうまくいく人生戦略」北野貴大さん著です。出版社はKADOKAWA 。

仕事を続けていると、キャリアに関して迷うことありますよね。別の会社に転職するか、それともフリーランスになるか、今の会社に残るか。選択肢ってあんまり多くないように感じてしまいませんか?

私自身も今後のキャリアについて悩むことがあり、転職に関する本や仕事に関する自己啓発書などを読んでいました。ただ、そんな時にキャリアブレイクというあまり耳にしたことがない言葉がタイトルの本書が目に留まりました。

読んでみると、キャリアの選択肢がひとつ増えたような感覚を得られたので、今回書評記事を書きました。

今回はキャリアに悩みを持っている人に、もうひとつの選択肢「キャリアブレイク」というものを提示してくれる本を紹介します。

キャリアブレイクとは?

みなさんは「キャリアブレイク」という言葉をご存じでしょうか?

私はこの本を読むまで、知りませんでした。

【キャリアブレイク】
一時的に雇用から離れる離職、休職など、キャリアの中にあるブレイク期間のこと。
新しい造語ではなく、欧州やアメリカでは一般的な言葉。

引用:仕事のモヤモヤに効くキャリアブレイクという選択肢 次決めずに辞めてもうまくいく人生戦略 北野 貴大 著

欧州やアメリカで一般的な言葉とありますが、日本ではあまり認知されていないように感じます。キャリアを一時的に中断する期間のことを指しているこの言葉。本書のテーマはこのキャリアブレイクです。

日本の場合、キャリアを離れる選択肢って中々勇気のいる行動ですよね。仕事をしている場合、その仕事から離れた時の心配ってやっぱり付き物です。私自身、普通の会社員をしていますが、キャリアについて考えるときは「このまま続ける」か「転職」の二択で考えていました。そんな時に本書で知ったキャリアブレイクという言葉。一時的に雇用から離れる選択肢というのもありなのか、と目から鱗が落ちた気分でした。

とはいえ、雇用から離れるという選択肢を取るにはやはり勇気が入ります。収入がなくなりますし、再雇用も上手く行くのか不安ですし。本書は、そういった心配点も含めて、様々な視点でキャリアブレイクという選択肢を考えていくことができる内容になっています。


キャリアブレイク中は何をするのか

キャリアブレイクをした人が、その期間に何をするのかは多様です。

たとえば…

  • 世界一周旅行をする人
  • 何かを勉強する人
  • 資格を取ったりする人
  • 体調不良で、離職し回復を目指す人

などなどが挙げられています。

雇用から離れることで得ることのできる最も大きな点は、まとまった時間が確保できることです。キャリアブレイクをすることで得た時間で、やりたかったことに挑戦する人もいれば、体を療養したりなど、使い方は人それぞれ。目的がない状態で離職をした人もいたりします。

仕事をしながらだと、時間の面で出来なかったことに挑戦したりできるのは、魅力的だと思いませんか?

もちろんただメリットがあるだけではありません。

デメリットも存在します。キャリアブレイクという選択肢を検討する上で、しっかりとデメリットも理解しておかないと、後悔してしまいそうです。

デメリット・雇用の空白期間問題

キャリアブレイクをすることでの最大のデメリットはキャリアに空白期間ができてしまうこと。どれくらいの空白期間になるのかにも寄りますが、長くなるほど再雇用を目指す時のハードルが高くなりそうです。

この本では、実際に企業の採用担当の方のインタビューも載っています。インタビューでは、なぜキャリアの空白が開いたのかなどの理由を聞いたりすることがあること。また、離職期間が長くなると書類選考の段階で見送りとなってしまう企業もあったりすることも、ちゃんと紹介されています。こういったデメリットもしっかり把握したうえで、キャリアブレイクを選択する必要がありそうです。

キャリアブレイクの期間、何をしていたのかをしっかりと話せるようになっておくことが、再雇用を目指す上で、大切なことになってきます。

キャリアブレイク実践者のインタビュー記事

キャリアブレイクを行った人たちのインタビュー記事も載っています。

キャリアブレイクで色々なことをした後の道も、人それぞれ。目的がない状態で離職したけれど、キャリアブレイク中にやりたいことを見つけた人。別業種に再就職する人もいれば、独立したりする人もいたり、資格取得をして資格を活かした仕事を始めたりなど様々です。本当に色々なパターンでキャリアブレイクを行っている人がいます。

この部分は本書の中でかなりオススメなところです。皆さんのそれぞれの状況や経験談がしっかりと文章になっているので、説得力や納得感がしっかりとあること。キャリアブレイクというものに対しての解像度が一気に高くなります。インタビュー記事は複数名載っているので、気になる体験をされている方の文章とも出会えるかも知れません。

その中でも私が特に印象に残っている人は、私の中で特に印象に残っているのは、36歳で小学校教諭を目指した方のインタビューです。他の方よりも年齢が高いということ、そして免許が必要な職業に挑戦していったということは結構衝撃的でした。

まわりからも反対されながらも、ちゃんと資格を取得し、教員としてお仕事をされているとのことです。

全体を通して、インタビュー記事は20代の若い方が多かったですが、その中で36歳という年齢で、キャリアブレイクを行った人の体験談は、興味深く読むことができました。私と年齢が近いからかも知れませんが、だからこそ36歳で新たに資格を取得し、新たな仕事につくのは、すごいなと感心しました。

インタビュー記事は本当に色々な人生があるなと興味深く読めるところです。欲を言えばもっと色々な人の体験記を読んでみたいなと思えた箇所でした。さらに欲を言えば、30代40代50代と様々な年代の方の体験を読んでみたいところではありました。

おわりに

仕事を続けるか、転職をするか、それともキャリアブレイクをしてみるか。キャリアに関する選択肢をひとつ増やしてくれる本です。

キャリアから少し離れてみる。こういった選択肢もアリなのかもと、思えるようになるかもしれません。メリットだけでなく、デメリットもしっかり解説されているので、それらをしっかりと把握しておくことも、キャリアという大切な選択をしていく上で、重要です。

キャリアブレイクは万能薬ではなく、1つの選択肢です。

引用:仕事のモヤモヤに効くキャリアブレイクという選択肢 次決めずに辞めてもうまくいく人生戦略 北野 貴大 著

著者の北野さんはキャリアブレイクについて色々紹介した後、上記のようなことも書かれています。

確かに全てが上手くいく万能な選択ではないと思います。キャリアの空白のデメリットは大きいものですし、安易に選ぶのは危ないとは思います。ただ、キャリアを考えて行く上で、選択肢があまりないと感じている人に、この本は刺さると思います。実際、私も読み進めて行く上で、選択肢が広がる感覚を得るとともに、少し冷静にキャリアを考えるきっかけも得られました。

キャリアについて、悩みながらもこの道しかない……どうしよう……。という考えになっている方は、選択肢を広げる意味でぜひ一度お読みください。

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ユキト

本が好きな一般人です。様々なジャンルの本を毎年100冊以上読んでいます。2024年4月から個人ブログ「ざぶざぶっく」を運営中。 ユキトのプロフィールはこちら! 洋書が読めるようになりたくて英語多読も実践継続中!100万語突破しました!

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