今回ご紹介する本はマンガです。
「ダンジョン飯」1~14巻 完結済み
九井 諒子 さん著。
出版社:KADOKAWA
絶賛アニメを放送中のダンジョン飯。私も毎週楽しみにしています。
原作の漫画が2023年12月に完結しました。ちょっと遅れましたが、私も先日原作を読了しました!ものすごくよかったです!時間は経ってしまいましたが、大満足の内容だったので今回紹介したいと思います。
ちなみに私、結構なゲーマーなんですよ。昔からのダンジョンRPGは大好物ですし、最新のゲームも遊びます。オープンワールドなゲームや、インディーゲームまで、それこそゲームで何かブログ記事が書けるんじゃないかと思うくらい時間を作っては遊んでいます。ゲーム、特にダンジョンRPGは毎年何本も遊んでいるので、ドンピシャにハマりました。
あらすじ
狂乱の魔術師が作ったと言われるダンジョン。魔術師を倒したものは、国の全て得ると言われており、冒険者たちはこぞってダンジョン攻略を続けています。
主人公ライオスやその仲間たちもダンジョンに潜って生計を立てています。ダンジョンにいるレッドドラゴンとの戦いの最中、空腹で力が発揮できず、壊滅的なダメージを受けてしまうんです。主人公の妹、ファリンのおかげで全滅は免れますが、ファリンはレッドドラゴンに食べられてしまうことに……。
ただこの世界のダンジョンでは、死者を蘇生することができる。なので、レッドドラゴンがファリンを消化する前に倒せば、蘇生できるのではと、レッドドラゴン打倒に向けて動き始めます。
ただ全滅一歩手前で逃げ延びたため、物資もお金もほぼない状態。迷宮に潜るには食料が必要……。でも食料を買うお金がない……。主人公ライオスは道中で魔物を食べながら進む決断をします。仲間たちから反対されながらも、昔から興味のあった魔物を食べたいという思いを持っていたライオス。
果てしてライオスたちパーティーの行方は……!
という感じのあらすじです。
ゲーム好きも納得の内容
ダンジョン飯は、古くからあるダンジョンRPGの要素を上手く取り入れてある作品です。色々なゲームに登場するようなモンスターたちを食べたらどうなるんだろうか。そんな想像を見事漫画に落とし込んでいます。
「おおー、ゲームっぽさがある漫画で食に特化しているのって珍しいし、面白い!」と感動を覚えていました。ゲームに出てくるモンスターの生態を細部までしっかりと描き、想像でしかない魔物料理がとても美味しそうに描かれているんです。
全巻通してみると、料理は前半~中盤にかけて多く描写されており、後半は謎をしっかりと回収していく流れになっています。後半は後半で熱い展開があるので、前半でキャラクターを好きになったら、そのままぐいぐい楽しめます。マルシルかわいい。大事なことなので2回言います。マルシルかわいい!
題材がゲームの世界ということもあり、ダンジョン飯はゲーマー心をくすぐる要素がいたるところに散りばめられています。今までも食事の要素があるゲームも結構ありました。ただそれを全面的に押し出しているこの作品は珍しく、だからこそ楽しく読むことができたんです。
ゲーム好きに刺さる描写が多い
さて、みなさんはWizardry(ウィザードリィ)というRPGをご存じでしょうか?
1981年に発売されたダンジョンRPGで、後に発売されたドラクエやファイナルファンタジーに影響を与えたとされるゲームです。自分たちでキャラクターを作れることが特徴で、キャラクターの種族や職業を選び、オリジナルの名前を付けることができます。そんなキャラクターたちを複数作り、最大6人のパーティを作って、ダンジョンに潜っていくゲームです。ナンバリングもされており、派生作品もたくさん出ています。私もずっと色々なダンジョンに挑戦し続けています…(笑)ダンジョンRPG面白いですよ!
ダンジョン飯はこのWizardryを連想させるものが多く出てくるんですよ。ダンジョン飯に出てくるとあるコインモンスターは、Wizardryのクリーピングコインから着想を得ていそうだと個人的に思っています。コイン以外の形もしていたりするので、九井さんの想像力が合わさって良いモンスターに仕上がっています。
他にもあります。それは「うさぎ」のモンスター。これはもうまんまWizardryのボーパルバニー。ちなみに私はこのうさぎがトラウマです。あいつのクリティカルほど突発的で恐怖なものはありません。何人私のパーティがあいつの餌食になったことか……。
さらには、ダンジョンを作ったとされる狂乱の魔術師も、Wizardry1作目を連想させるものになっているんですよね。
ファンの間だと周知の事実かもしれませんが、そういったダンジョンRPG好きの心をくすぐるネタも入っていて、たまらないものになっています。他にもWizには出てこないタイプのモンスターもたくさんいます。ただ色々なゲームをプレイしてきた人であれば、あれこれってアイツに似てるなとか思えるものもあります。ダンジョンで食事というもの自体が、ダンジョンマスターというゲームにもあったりしますし、そういったものを色々と昇華して、新しい漫画になっていると思っています。
ファンタジー系のゲームが好きな人には刺さるものが多いんです。ゲーマーはきっとニヤっとできるものが多く散りばめられているので、ぜひ読んで確かめてみてほしいところです。
九井先生のゲーマー度合
週間ファミ通2024年2月29日号No.1837に、九井さんのインタビュー記事が載っています。ファミ通というゲーム雑誌なので、対談内容のメインはゲーム。
九井さんがダンジョン飯を描くにあたりプレイしたゲームや、最近やって面白かったゲームなどなど、結構濃ゆい内容になっています。ダンジョン飯を作るにあたり、Wizardryだけでなく、食事がとれるダンジョンRPGのLegend of Grimrockなども執筆にあたりプレイされているとのこと。それをしっかり遊んで作品に活かしているんだなと感心しました。Legend of Grimrockの前にあった食事ができるダンジョンRPGのダンジョンマスターというゲームは、入手が困難でLegend of Grimrockを遊ばれたみたいです。
九井さんがプレイしている他のゲームがまた渋いものや最新のものまで、幅が広いんですよ。ウィッチャー3やサイバーパンク2077といったオープンワールドのゲームを遊んでいたりするんです。ちなみにオープンワールドというジャンルのゲームは、かなーーり広いゲームの世界を、自由に探索したり冒険したりできるゲームです。日本の作品だと最近のゼルダの伝説などがそのジャンルにあたります。「ゼルダの伝説ブレスオブザワイルド」や「ゼルダの伝説ティアーズオブザキングダム」などですね。サイバーパンクも楽しいですよ。ただ私はサイバーパンクのDLCはまだ積んでいるので、九井さんに追いつけていないっ!九井さんもめっちゃ忙しいだろうにすごいですよ……。
しかも比較的新しいゲーム、スターフィールド(Starfield)まで遊んでいるんですよ。これは様々な星々を探索できるオープンワールドゲームです。スターフィールド(Starfield)が遊べる環境が整っている人って、日本だと少ない気がするんですよ。ゲーム用のPC持っていたり、Xbox持っていたりしないと遊べないので。そういった意味でも九井さんのゲーマーっぷりが伝わってきます。ちなみにStarfieldもめっちゃ楽しいですよ。私も昨年はずっと星々を旅していたので、すごくわかるんです。DLCも待ち遠しい……。
サイバーパンクやスターフィールドといったゲームは海外で開発されたもので、これらをチョイスして遊ぶというのだけで、もう生粋のゲーマー感がぷんぷんしてきます。九井さんは古典ゲームだけでなく、最新のゲームまで嗜まれているのです。そんな作者が書いたゲームの世界を題材とした漫画。
ダンジョン飯がゲーマーな私にとって、ものすごく魅力的な作品と感じたのは、ゲームを遊ぶ人ならではの視点も持ちつつ描かれているからなのかなーと思います。直接的な作品には関係のない部分ではありますが、ゲーマーが見ると九井さんに共感を持てそうな内容だったので、こちらも併せてオススメします。
おわりに
さて、もはや本の紹介というより九井さんが好きなゲームについて語る記事になってしまっている気がします。九井さんのダンジョン飯を読んで、逆にゲームが気になった人は、インタビュー記事に乗っているゲームも遊んでみてください。ダンジョン飯とのつながりがわかると思います。ただ、古典的なゲームは難易度も高いので、ご注意ください。
ダンジョン飯の話に戻ります。ダンジョン飯、ものすごく面白いけれど、ひとつだけ問題があるんですよ。それは、描かれている料理が美味しそうなんで、夜中に見るのが危険なんですよね(笑)
ダンジョン飯の食材は魔物。現実には存在しないものです。でもとにかく美味しそうに見えちゃうんですよ。
ちょっと現実の食材に似せている部分もあったりするので、何となく味をイメージしてしまって、お腹が減ってくるんですよね。これを書いている今、私はミミックが食べたいです。とにかく……飯テロ注意!このことは気を付けて、読んだ方がいいですね。
余談ですが、ゲームの話題に触れまくったので、最後もゲームの話題で締めたいと思います。ドラゴンズクラウンっていうゲームにも、合間合間に料理する場面があります。ボスを倒すとその食材が料理シーンで並んで、調理できるんですよ。出来上がりもダンジョン飯に負けず劣らず、どれも美味しそうです。
気になる方はぜひ遊んでみてください!こちらも飯テロ注意ですよ!